投稿日 : 2024年7月12日(金曜日)

  • サステナブル

こんにちは、オリジナルTシャツ業界に15年関わっているWEBクリエイターのちっちゃなお友達 「BOO」です。  「ファッション業界の環境問題を知り、オリジナルTシャツでサステナブルな未来を創る!」と大それた野望を掲げました。

僕は、ちっちゃいながらもサステナブルなオリジナルTシャツの業界を目指して活動するためにファッション・衣服の現状についてしっかりと考えを持って活動していきたいと意気込んでいます。

現在、日本のファッション業界では、安価で手に入る大量生産型のファストファッションのような衣服が当たり前のように存在しファッションを楽しむ光景を見ることがあります。

価格が安く、次々と新しい衣服が店頭に並ぶので、数ヶ月に一回テイストを変えファッションを楽しむことが可能になりました。
製造側の企業も「常に新しいもの」「できる限り安いもの」をスピード感を持って追求し続けているというのがファストファッションのような仕組みのビジネスとなっています。

ただ、このような娯楽的なファッション業界の裏側では様々な環境・人・ビジネスへのダメージが伴っている現実からも目を離すことはできません。

皆様は「ファッション業界が汚染産業と言われていることをご存知でしょうか?」どうしてこのような事が起こっていうのか「環境に優しいオリジナルTシャツ研究所 | ちっちゃなお友達「Boo」のTシャツ.Lab 」を運営することでしっかりと考えて行こうと考えています。

ファッション業界の環境問題:私たちが直面する現実

日本に限ったことではないのですが、ファッション商品は、安価で手に入るもので溢れています。  
(ファッション業界だけに限定はできませんが・・。)

先ほどご説明と重複してしまいますが、ファストファッションのような仕組みのビジネスは、一昔前までは、一つのアイテムに対して1シーズンも2シーズンも着用され続けてきたことに対して、現在では安価で手軽さもあり1ヶ月・2ヶ月で新しいファッションに着替えることが可能になりました。

次々と着替えられるファッションアイテムは、やがてはクローゼットに閉じこめられ、役目を終えてやがて廃棄されていくことも多いのではないでしょうか?

場合によっては、一回・二回だけの着用で役目を終えてしまう・極端な場合一度も着られることなく役目を終えていることもあるかもしれません。

さらに顧客満足を得るために大量に生産し新しい企画・素材、より安い金額を追求し続けてきた結果、今のような安価な商品をそこら中で手に入れれるようになりました。
では、消費者にとっては大変ありがたいビジネスモデルではありますが、実際にこのビジネスに関わる企業・工場・人々にとってはどのようなビジネスモデルであるか簡単にご紹介させていただこうと思います。

  • ものづくりの現場では、極端なコスト削減が必要になる。
  • シーズンを逃すと売れなくなってしまうファッションは極端な納期管理が必要になる。
  • 大量な発注によりコストメリットを出すため、資源を無駄に使い環境への悪い影響がでる。
  • 今までのファッション産業を壊してしまう可能性がある。
  • より安い賃金でものづくりが可能な工場への仕事として天秤にかける必要がでる。

通常ファッションにおいて、輝かしい企業の宣伝や広告を目にする機会は多いものの、なかなか現場の過酷な状況などを考えるきっかけとなる光景に出会うことはなく、普段あまり考えることも少なくないとは思います。

僕は、衣服の業界に関わる人として「ファッション業界が世界で第2位の汚染産業」の事実を受け止め行動に移す必要があるのだと思っています。

なぜファッション業界が環境汚染産業なのか。

実際にファッション業界が環境にどのような悪影響を与えているのかご存知でしょうか?

大切な資源である「水」の大量使用。

例えば、1枚の綿のTシャツを製造するのに、全ての工程を含めると約2,700リットルの水が必要とされています。実際衣服を製造する際にどのような工程で水の使用が必要なのかを下記ご紹介いたします。

綿の栽培

  • 概要: 綿は衣服の原材料として広く使用されていますが、その栽培には大量の水が必要です。
  • 水の使用量: 綿1キログラムを生産するのに約7,000〜29,000リットルの水が必要とされています。

繊維の洗浄

  • 概要: 綿や他の天然繊維は、収穫後に不純物を取り除くために洗浄されます。
  • 水の使用量: 具体的な量は工場の規模や技術によりますが、大規模な工場では年間数百万リットルに達することがあります。

染色と仕上げ

  • 概要: 繊維や布地は染色され、仕上げの工程で水が使用されます。染色工程では染料を定着させるために大量の水が必要です。
  • 水の使用量: 染色プロセスで使用される水の量は、1トンの布地あたり約100〜150リットルとされています。全体の染色工程では、数百万リットルに達することもあります。

洗浄と漂白

  • 概要: 染色後、布地や衣服は再度洗浄され、場合によっては漂白も行われます。
  • 水の使用量: この工程でも1トンの布地あたり数百リットルの水が使用されることが一般的です。

製造過程の冷却

  • 概要: 特定の製造工程(特に合成繊維の製造)では、機械や材料を冷却するために水が使用されます。
  • 水の使用量: 使用量は工程によりますが、工場全体で数十万リットルに達することがあります。

水の大量使用は「水資源の枯渇」・「水質汚染: 染色や仕上げ工程で使用される化学薬品が排水として放出されると、水質汚染を引き起こす」などの環境問題を引き起こす可能性があります。

これらの問題に対処するために、水の使用量を減らす技術の開発や、リサイクル水の利用、環境に優しい染色技術の導入などが進められています。また、サステナブルな素材の使用や、生産工程全体での水管理の改善が求められています。

温暖化に影響を与えるCO2の排出

また、水以外にも環境に悪影響を及ぼすCO2の排出も無視はできない。
衣服の製造また、それを移動させる輸送による排出にも関わってきている。

原材料の生産

  • 概要: 綿や化学繊維(ポリエステルなど)の生産には多くのエネルギーが必要です。特にポリエステルは石油由来の原料を使用するため、大量のCO2を排出します。
  • 排出量の例: 1キログラムのポリエステルの生産には、約5.5キログラムのCO2が排出されます。一方、オーガニックコットンは通常のコットンよりもCO2排出量が少ないとされていますが、それでも大量のエネルギーを必要とします。

製造工程

  • 概要: 繊維の紡績、布の織りや編み、染色、仕上げなどの工程には大量のエネルギーが使用されます。特に染色や仕上げ工程は高温の水や化学薬品を使用するため、エネルギー消費が多く、CO2排出が発生します。
  • 排出量の例: 1トンの布を染色する際に使用されるエネルギー量によって、数百キログラムのCO2が排出されることがあります。

輸送

  • 概要: 原材料の調達から製品の配送までの全ての過程において、輸送によるCO2排出が発生します。特に国際輸送では、海運や航空便による排出が大きな割合を占めます。
  • 排出量の例: 衣服1キログラムを国際輸送する際に排出されるCO2は、輸送手段によりますが、数キログラムに達することがあります。

廃棄とリサイクル

  • 概要: 使用済みの衣服が廃棄される際の焼却や埋立て、リサイクルプロセスでもCO2が排出されます。
  • 排出量の例: 衣服1キログラムを焼却する際に排出されるCO2は、約2.5キログラムとされています。

世界の衣服産業全体でのCO2排出量は、年間で約12億トンと推定されています。これは、全世界のCO2排出量の約10%を占め、航空業界と海運業界を合わせたものよりも多い量です。

環境についてどうすれば良いのだろうか?

僕が伝えたいのは、これらの事実に向き合ってお洒落を我慢しなければならないのでしょうか?・・
という話ではなく、これらの環境への悪影響をしっかりと考え「削減できること」「削減できないこと」をしっかりと考え、今よりも良いものづくりへと変えていく為の指標として受け取っていただければ良いと思っています。

無駄に3枚衣服を製造するのではなく、1枚必要なものだけを製造する。
それだけでも環境への影響が改善されるかもしれません、事実を知って改善への行動に出るということが大切なのだと感じています。

衣服が作られてから廃棄されるまでの一生

衣服の製造過程で様々な問題点というのを挙げさせて頂きましたが、実際に衣服がどのように作られて、どのように手放されていくのかを、衣服の一生について、簡単にはなりますが、ご説明させていただきたいと思います。

衣服のライフサイクル。

原材料調達

原材料の栽培と採取

  • 綿花栽培: 綿花は主にインド、アメリカ、中国などで栽培されます。綿花の栽培には大量の水と農薬が使用されます。
  • 化学繊維の製造: ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は、石油や天然ガスを原料にして製造されます。

製造

繊維の生産

  • 紡績: 綿やその他の繊維を紡いで糸にします。この過程でも大量の水とエネルギーが使用されます。
  • 織り・編み: 糸を使って布地を作ります。

染色と仕上げ

  • 染色: 布地に色をつけるために染料を使用します。染色工程では大量の水と化学薬品が必要です。
  • 仕上げ: 布地を柔らかくしたり、防縮加工を施したりします。

消費

商品の流通

  • 輸送: 原材料から最終製品までの輸送には船舶、トラック、航空機が使用されます。

消費者による使用

  • 購入: 消費者が店頭やオンラインで衣服を購入します。
  • 使用: 衣服は洗濯、乾燥、アイロンがけを繰り返しながら使用されます。

廃棄

使用済み衣服の処分

  • 廃棄: 使用済みの衣服は廃棄され、焼却または埋立地に送られます。
  • リサイクル: 一部の衣服はリサイクルされ、新たな繊維製品として再生されます。

簡単にはなりますが、このような段階を経て衣服のライフスタイルは繰り返され続けています。企画のサイクルが早くなったファストファッションでは、今までのサイクルに比べ、何度もこの過程が繰り返され続けています。

廃棄された衣服の行き先

先ほど簡単のご説明させていただきましたように衣服が購入され役割を終えたあとは、廃棄され焼却されたり埋立地に送られたりといった対応も多いのですが、実はそれだけではありません。

そもそも売れなかった大量の衣服はどうなっているのでしょうか?

売れ残った衣服の処理方法

ディスカウントセール

  • 売れ残った商品はまず、ディスカウントセールで安く販売されます。これは在庫を減らし、売上を回収するための一般的な手法です。
  • しかし、全ての衣服が売り切れるわけではなく、さらに売れ残ることがあります。

寄付と再販売

  • 売れ残った衣服の一部は慈善団体に寄付されます。
  • 寄付された衣服は、発展途上国などで再販売されることが多いです。しかし、これが地元の市場に過剰供給を引き起こし、地元の繊維産業を圧迫することがあります。

廃棄と輸出

  • 売れ残りや再販できない衣服は、発展途上国に輸出されます。例えば、アフリカや東南アジアの国々に大量に送られます。
  • これらの国では、リサイクルや適切な廃棄インフラが整っていないため、衣服が適切に処理されず、環境問題を引き起こすことがあります。

これらの行き場をなくした衣服は、最終的にガーナ・チリ・ケニアにたどり着くことも多く、海辺や砂漠などに衣服が山を作ったまま放置され土壌汚染を起こしたり、またそれが海に流れ込み水を汚染したりなど環境問題として取り上げられることもしばしば見かけます。

    持続可能なファッションへの取り組み

    世界に比べてまだまだ日本では環境配慮への意識の浸透は少ないようで、

    衣服の購入の際にも環境に影響が出てしまうであろう行動をとってしまう場面も多々直面しています。

    僕自身も正直、少しづつは意識してはいるものの自身もまだまだ選択を間違えていることも多いことは見直さなければいけないと感じています。

    売れるものは増産される。

    売れないものは廃止される。

    このように、個々が、環境に良いものを選択し続けたとしたら、世の中に環境に良いものがあゆれてくる。やがて環境に影響が出てしまうものは、少しづつ姿を消していくのだろう。

    サステナブルな世界は、このような個々の選択に大きく関わってくるものだと僕は感じています。

    視点1 : 環境に優しい素材の選択

    では、具体的に持続可能なファッションを目指してどのような行動が正しいのか、

    一般的には環境に配慮される素材を選ぶことが掲げられていますね。

    下記一般的に衣服に使用される素材の中で環境への利点があるとされているものになります。

    オーガニックコットン

    • 特徴: 化学農薬や化学肥料を使用せずに栽培された綿花から作られたコットン。
    • 環境への利点: 土壌の健康を維持し、水の消費量が少ない。

    リサイクルポリエステル

    • 特徴: 使用済みのPETボトルや廃棄されたポリエステル製品をリサイクルして作られる。
    • 環境への利点: 新たな原油を使わずに済むため、エネルギーの節約とゴミの削減に寄与。

    リネン(亜麻)

    • 特徴: 亜麻の茎から取れる繊維を使用。
    • 環境への利点: 農薬や化学肥料の使用が少なく、水の使用量も少ない。

    ヘンプ(大麻)

    • 特徴: 大麻の茎から取れる繊維を使用。
    • 環境への利点: 成長が早く、農薬や化学肥料の使用が少ない。土壌の質を向上させる。

    テンセル(リヨセル)

    • 特徴: 持続可能な方法で栽培されたユーカリの木から作られるセルロース繊維。
    • 環境への利点: 製造過程で使用する化学物質が回収され再利用されるため、環境負荷が少ない。

    バンブーレーヨン

    • 特徴: 竹から作られる繊維。
    • 環境への利点: 竹は成長が早く、農薬や化学肥料を必要としない。土壌の侵食を防ぐ。

    コルク

    • 特徴: コルク樫の木の樹皮から取れる繊維。
    • 環境への利点: コルク樫の木は樹皮を剥いでも生き続け、再生可能。炭素吸収力が高い。

    実際にアイテムのことに詳しくなることがサステナブルな業界への第一歩になるのではないかと感じます。

    視点2 : 環境に優しいかどうかの見極め

    僕は、実をいうと、環境に利点のある素材を使えば、必ずしも「環境配慮である」とは思ってはいない。

    例えば、僕が「オーガニックコットンの素材を環境に良いからといって選択するとしましょう。

    ※オーガニックコットンが環境に与える悪影響が2だと仮定します。

    ※通常の綿が環境に与える悪影響が10だと仮定します。

    「僕は、そのことを考えず、オーガニックコットンの衣服を2ヶ月に1度新しい商品に着替えます。」

    「Bさんは、通常の綿の衣服を大切に2年着用し続けました。」

    その場合、どちらが環境に優しいと言えるでしょうか、

    結果的には、オーガニックコットンを着替え続けた僕が環境に与える悪影響が24になります。

    Bさんは一つのものを使い続けているので10のまま。

    このように、必ずしも環境配慮の選択肢が推奨されている選択肢にはならないということも起こってくると思っています。

    良い素材を使っているから、ということだけではなくアイテムの商品企画の段階で使い続けることができることを考えた製品を生み出すことも大切になってきます。

    Bさんの衣服が、リペア・リユース・リサイクルなどを経てさらに長く使われ続けた場合、環境配慮としては一番良い選択肢になっていると考えられます。

    僕自身、こういった商品選択の見極めも大切になってくるのだと感じています。

    個々の行動がもたらす大きな変化

    このようなファッション業界の現実を知り、ちっちゃな僕にできることはあまりにも少なすぎるのが現実なのですが「小さなことからコツコツ」と何か選択する場面に直面した際には、環境に良いことを一つの選択として少しづくでもサステナブルな行動をしていきたいと思っています。

    また、そんな「想い」や「考え」をブログという手段を通して発信することでその「コツコツ」が積み重なり今よりももっと良くなると信じています。

    お洒落を我慢するのではなく、より持続可能な選択肢でお洒落を楽しんでいく。

    そんな業界になっていけばいいなと感じています。

    皆様にも少しでもこの想いがお届けできればうれしく思っています。